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キャンピングカーのリチウムイオンバッテリー化はメリットばかり?

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リチウムイオンバッテリー搭載車が今後続々と発売される

今年になってキャンピングカービルダー各社のリチウムイオンバッテリー搭載が更に熱気を帯びてきています

最近はバンライフ的な車中泊仕様をDIYするためにリチウムイオンバッテリーを市販のBMS(バッテリーマネジメントシステム)と組み合わせて搭載される方も増えています

「ナッツRV」が「ハイパーエボリューション」を初公開

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日本最大のジャパンキャンピングカーショー2021が延期となったので

次に開催された名古屋キャンピングカーフェア2021で「ナッツRV」が新電装システム「ハイパーエボリューション」を初公開しました

ハイパーエボリューションは、リチウムイオンバッテリーを採用

従来から定評のあったエボリューションシステムをリチウムイオンバッテリー向けに最適化することで、システムの高効率化とともに、過充電・過放電を防止

高い安全性も確保しているとのこと

既存のバッテリーからの交換については未定とのこと

ケイワークスはリチウムイオンバッテリーを全社標準搭載

私のお気に入りのバンコン「クラシックバン」のビルダー「ケイワークス」では業界に先駆けてリチウムイオンサブバッテリーシステム「MEVIUS(メヴィウス)」の全車種標準搭載を決定しています

キャンピングカー業界のバッテリー革命 – 株式会社ケイワークス キャンピングカー&トレーラー

我が家は既にリチウムイオンバッテリー搭載済

冗談のような話ですが半分本当です

旅行時に積んでいるポータブル電源はリチウムイオンバッテリーとインバータと充電器とBMSがワンセットになっているもの

サブバッテリーとして搭載されているディープサイクルバッテリー3個の容量は3600Wh(100Ah×3個×12V)

※実際は徐々に電圧が下がるのでこれより小さくなります

ディープサイクルバッテリーは残量が減るに従い電圧が降下するので、実際の利用限度を50%とすると使えるのは1800Wh

ポータブル電源の容量は626Wh

リチウムイオンバッテリーは最後まで電圧が下がらないので使いきれます

このポータブル電源はインバータが500Wなのでエアコンや電子レンジには使用できませんが、容量的にはこれ一つでサブバッテリー1個分ということになります

リチウムイオンバッテリーはメリットだらけ?

実質的に交換不要

ディープサイクルバッテリーは繰返し充電500回で寿命と言われています

これはDOD(放電深度)が50%程度の場合です

過放電するほど寿命は短くなります

一般的な使用状況だと3~4年で交換

リチウムイオンバッテリー(リン酸の場合)はDODが100%でも繰返し充電4000回(800回くらいで容量が80%に減る)と言われていますので、ほぼ交換の必要が無くなります

導入コストは2倍でも寿命は2倍以上

100Ahのディープサイクルバッテリー3個で約10万円

リチウムイオンバッテリーは前述のように200Ah あれば実質的な容量はディープサイクルバッテリー300Ah以上です

売れ筋のリン酸鉄リチウムイオンバッテリーは100Ah でも10万円を切る価格になっています

2個で20万円とすると2倍の価格で実質交換不要のバッテリーが手に入ります 

 

大人1人分の軽量化

ディープサイクルバッテリー約30キロ/個×3個

リチウムイオンバッテリーは約10キロ/個×2個

約70キロの軽量化が図れます

こうなるとリチウムイオンバッテリーを選ばない理由はないですね

リチウムイオンバッテリーは価格がネックでしたがここまで下がってくるとネックになりません

「トイファクトリー」はリチウムバッテリーにノー宣言

リチウムイオンバッテリーの搭載に一貫してノーと言い続けているのが

バンコンのトップビルダー「トイファクトリー」です

同社の2018年の意見ですが

「リチウムイオンバッテリー「二次電池」を搭載するタイミングは、自動車メーカーがその車両に対してリチウムイオンバッテリー「二次電池」の正式採用を行い、それに対して正式な回路が組めた時」

と発言しており

同年に日産キャラバンに「日産リーフ」で培ったEV技術を活用して大容量(8kWh)のリチウムイオンバッテリーシステムが搭載されると

今後このベース車両を基にした開発を進めると発表しています

【同記事】

リチウムイオンバッテリーの搭載はトイファクトリーでも出来ますか? | キャンピングカー専門店のトイファクトリー

自動車メーカー純正!!リチウムイオンバッテリー搭載車発表!! | キャンピングカー専門店のトイファクトリー

同社の藤井代表は先般TBSテレビの「情熱大陸」にも出演されていました

同業他社が次々にリチウムイオンバッテリーに手を出し始めている中でここまで拘る姿勢はそれが正解か否かは別にして立派だと思います

暑さ寒さ振動などの過酷な条件の車内で、家と同じ様な感覚で一般人がキャンピングカーをDIYするブームにも警鐘を鳴らしているように思えます

家にコンセントを設置するだけでも電気工事士の資格が必用になるんですけどね

 キャンピングカーの火災は逃げ場がない

 

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バンコンはリヤゲートが開きますが、大半のキャブコンはリヤのベッドで就寝しているときに火災が発生しても逃げ場がありません

そしてサブバッテリーの多くはエントランス横のダイネットのソファー下に設置されています

逃げ場どころか、狭い車内で煙が充満したらそれで終わりでしょう

リチウムイオンバッテリーが爆発炎上することはめったにありませんが、ゼロではありません

航空機に搭乗する場合もスマホ充電用のバッテリーは貨物ではなく手荷物にして持ち込むよう要請されますよね

トイファクトリーも爆発事故をゼロにするには莫大なコストをかけて徹底的なテストを繰り返す自動車メーカーの標準搭載ベース車が必要と主張しています

ホンダのF1開発のテレビ番組を見ていたら、

F1エンジンの耐久性に行き詰まった開発チームがホンダジェットの開発部門に相談に行ったら見事に解決したという逸話がありました

航空機のエンジンは故障したら墜落するので、故障し難いではだめ、絶対に故障しないを目指すので出発点が違うと言っていました

同様にビルダーと自動車メーカーでは出発点も目指すレベルもケタ違いなのは明らかでしょう

ポータブル電源を使うという妥協案も

私もDIYは大好きなので自信のある方がDIYするのを否定するつもりはありません

月並みですが自己責任ということになりますね

私もポータブル電源を積んでいます

大手電機メーカーがBMS一体で設計販売した商品という安心感はあります

手前味噌ですが

DIYの妥協案としてポータブル電源をベースにするという選択肢は考えられます

バッテリーの温度管理から電圧管理まで一体で設計されている安心感が強み

キャンピングカーのEV化が進めば・・・

次回のサブバッテリー交換のときは悩みそうです

 バンテックもこういう取組みにはどちらかというと保守的な気がしますので

現在の回路をなるべくイジらない前提で

大容量大出力のポータブル電源を追加してエアコンも電子レンジもこれで賄う

ディープサイクルは3個から1個に減らして照明、給水、FFヒーター用

最近はソーラーから充電用の入力端子を備えたモデルも出てきているので220Wソーラーはポータブル電源に接続

ディープサイクルバッテリーの走行充電は変えず

あっ!冷蔵庫はどうしよう

キャンピングカーもEV化が進みベース車に大容量リチウムイオンバッテリーが搭載されるようになって

こんな悩みが不毛な空想になることを願います

まだ時間はあるのでこれからいろいろ勉強です