ふるさと納税はこれからの人へ
先日ふるさと納税の返礼品で美味しいものを頂いた記事を書いたところ
コメントを頂いたブロ友の皆さんふるさと納税をやっていないと判明
高価なキャンピングカーやフェラーリのオーナーさん達なのでそれなりの額を納税されていると思うのですが・・・
という訳で
もはや制度自体の説明はオワコンだと思っていたのですが
今更ですが制度を分かりやすく説明したいと思います
ふるさと納税とは?
納税という名が付いていますが、実際は寄付金です
自分の選んだ自治体(都道府県や市町村)に寄付をすると寄付金額合計の2,000円を超える部分が所得税と住民税から控除される制度
例えば50,000円を寄付すると48,000円税金が安くなります
なので実質的に自分の負担額は2,000円だけになります
寄付すると何がメリット?
寄付をした人の居住する自治体から寄付先の自治体に税金が移転することになるので
地方間格差や過疎などにより、税収の減少に悩む自治体に対しての格差是正を推進する
などという大義名分はさておき
なんでブームになったかというと、寄付金額に応じて自治体から「お礼の品」が届くからです
一時期は寄付金額の7割などという大盤振る舞いの自治体もありましたが、本来の趣旨を逸脱した加熱競争が問題視され
いまは寄付金額の3割程度に抑えられています
50,000円寄付すると実質2,000円の負担で15,000円程度の「お礼の品」が手に入ることになります
※なお、自分の自治体に寄付することもできますが、お礼の品はもらえません。感謝状は届くかもしれませんが・・・
寄付金の上限額
寄付はいくらしようと実質負担の2,000円は変わらないので寄付金額が大きいほどお得になります
しかしながら、所得の金額により税額控除となる寄付金額に上限があります
《寄付上限額の目安例》
総務省のポータルサイトにもっと詳細な表があります
それでは実際の手続きです
①自分の選んだ自治体に寄付をする
②自治体から「お礼の品」と「寄付金受領証明書」(以下「領収証」)を受け取る
③確定申告を行う
これだけです
寄付とか確定申告といわれると面倒に見えますが実際には簡単な方法があります
①自分の選んだ自治体に寄付をする
寄付と言っても自治体に送金する必要はありません
ふるさと納税のポータルサイトがあります
私は「ふるなび」と「楽天ふるさと納税」を使っています
例えば楽天だと楽天市場で買い物するのと全く同じです
楽天ふるさと納税のページで自分の興味のあるジャンル(「牛肉」とか「魚介」とか「スイーツ」とか)を絞り込んで返礼品を選び注文するだけです
実際は自治体を選ぶのが先ではなくて、商品(お礼の品)を選んでその自治体に寄付します
例えば10,000円の注文(寄付)で3,000円程度の商品(お礼の品)が届きます
もちろん決済も通常通りクレジットカードでOKです
②自治体から「お礼の品」と「寄付金受領証明書」(以下「領収証」)を受け取る
商品も普通に楽天市場で注文したのと同じように発送連絡や追跡番号が連絡され、クール宅急便等で届きます
一般的に商品とは別送で自治体からの「領収証」が届きますので紛失しないように保管します
③確定申告を行う
普段確定申告をしていない人はこれが面倒に感じますが
確定申告を必要としない「ワンストップ特例制度」というものもあります
確定申告をする場合は自治体からの領収証を添付して寄付金として申告します
「ワンストップ特例制度」
確定申告をしない場合は「ワンストップ特例制度」を利用できます
注意点は1年間のふるさと納税の寄付先が5自治体以内であることです
利用する場合は楽天市場等で注文の際に「ワンストップ特例制度」を利用するかどうかの選択がでてきますので「利用する」として下さい
自治体から「ワンストップ特例申請書」が届くので必要事項を記載して返送します
これにより確定申告が不要になります
確定申告の場合は所得税と住民税の合計で税額控除されますが
「ワンストップ特例制度」の場合は全額が住民税から控除されます
控除額合計は同じですので損得はありません
税額控除の実感が無いのが難点
確定申告した場合は一部が所得税から控除され、残りは住民税から控除されます
所得税の場合はその還付額が振込まれるので実感が沸くのですが
残りの住民税分は翌年の住民税から差し引かれます
毎月の手取りがその分増えるのですが、戻ってきた実感に乏しいのが難点です
「ワンストップ特例制度」の場合は全額が住民税から控除なのでなおさら実感し難いです
もちろん効果は同じなんですけどね
ふるさと納税ポータルを使うメリット
ふるさと納税ポータルサイトの有名どころは「楽天ふるさと納税」「ふるなび」「さとふる」「ふるさとチョイス」などですが
メリットとしてサイト独自のポイントが付くことがあります
特に年末に近づくと付与率が高くなる傾向があり、例えば5%分のポイントが付くと「お礼の品」の30%と合わせ寄付金額の35%の還元率になります
楽天スーパーセールなどでも通常の商品と同じように楽天ポイントが大量に付きます
もう一点、2021年分からは確定申告の際に、自治体の発行した領収証の代わりにこれらのポータルサイト(国税庁長官が指定した「特定事業者」)が発行する「寄付金控除に関する証明書」を添付すればいいことになりました
数十の自治体に寄付をするような人は数十枚の領収証を添付する手間が省けます
ふるさと納税を10年以上やってみて
制度創設時には想定していなかった「お礼の品」を送る自治体が増え
それが過熱しブームになったふるさと納税制度
賛否いろいろあるものの
地方の市町村の職員が創意工夫をこらし寄付金を増やす努力をすることは
国会議員に陳情して交付金をもらうよりよっぽどいいんじゃないかと
法律に違反してないのにと通達行政に異を唱えた泉佐野市や草津町なども、応援の意味も込めてたくさん寄付させて頂きました
ただ、行き過ぎた運用はそのうち是正されるのが常なので
返礼品で事業拡大を狙って損した業者は自業自得ですね
大都市から地方に税金が流出すると言っても地方の無駄な公共事業に流れる税金に比べれば微々たるもの
和牛好きであれば10,000円の寄付のうち3,000円は和牛業者に流れ、7,000円は自治体に流れますが自治体の使い道も寄付時に指定できます
GoToキャンペーンのように勝手に国が決めた特定業種に税金が使われるより、寄付のしがいもあります
キャンピングカーの旅やツーリングで立ち寄った場所でここはふるさと納税で寄付した街だと気付くのもなかなか新鮮なものです
難しく考えずに、普段なかなか食べないようなグルメを頂いたりして気楽にエンタメとして楽しめば十分かと思います