巨大ヒグマ「OSO18」
新聞で北海道の巨大ヒグマが話題になっています
推定体重は、300kgから350kg
コードネームは「OSO(オソ)18」
2019年7月に初めて乳牛が襲われた標茶(しべちゃ)町下オソツベツの地名と、
前脚の跡の巨大さ(幅18センチ)にちなんだもの
それ以来約50頭もの牛が襲われていますが、未だに捕獲されていません
厚岸町でも被害にあっているようです
DNA鑑定の結果、同一のヒグマであることも確認されています
獲物への執着心
新聞記事にはこんな記載もありました
現場で取材をしていた記者は、ある事実に気がつき、思わず息をのんだ。
あるはずの牛の死骸が、現場になかった。
記者「やられた牛はどうなった?」
牧場の経営者「あると思ってたらないから、びっくりです」
記者「それって...」
牧場の経営者「また来たのか、わからないけど」
記事だからそれらしい内容にしているのかもしれませんが
ヒグマは仕留めた獲物に強い執着心を持つことはよく知られています
あまりにも有名な「三毛別羆事件(さんけべつひぐまじけん)」でも
襲われた人の亡骸を持ち帰って葬儀をしているところに、ヒグマが亡骸を取返しに来て大きな被害となりました
「福岡大ワンゲル部・ヒグマ襲撃事件」でも
学生がヒグマに取られたキスリング(リュック)を取返したことから、執拗に狙われます
なので、牛の死骸の残りを取りに戻ることはヒグマとしては普通の行動
死骸を家のそばに持って帰らなかったことはラッキーだったかもしれません
オソには普通のヒグマとは別の側面も
一方で
オソが他のヒグマと違う点は、自らが仕留めた獲物に対してまったく執着を見せない
とも言われています
「本来、ヒグマは自分が手に入れた餌や餌場には強い執着心を持ちます。一度餌を捕まえた場所には、味を占めて何度も戻って来ます。しかし、オソは同じ餌場に戻って来ることはありません」との取材記事もありました
戻って来るなら、それを待ち構えて仕留めるということもあります
ただ、仕留めるのもそう簡単ではないでしょう
巨大な個体は捕まらない
巨大ヒグマでも巨大イワナでもそうですが
巨大になるまで生き延びたのは、慎重かつ頭のいい個体であったとも言えます
オソも各地に設置された監視カメラに捉えられたのは上記の写真のみ
ヒグマは硬い頭蓋骨に守られているため、確実に心臓を射抜く必要があり
腕のいいハンターでも一発で仕留めるにはかなりの勇気と経験がいるでしょう
失敗すれば自分の命も危ないですし、手負いのヒグマになってしまいます
北海道キャラバンに備えて
北海道は大好きですが、ヒグマの怖さを良くしっているビビりなので
新型コロナより、ヒグマが最大の懸念事項です
知れば知るほど怖くなります
30年前の若い頃は人の居ない早朝にバイクでカムイワッカ湯の滝
に出掛けたりしましたが
今では考えられません
バイクツーリングなら郊外の道を走るときに、目の前にヒグマがいたらどうしよう
とかキャンプ中にヒグマが出ることは常に想定しています
広大な大地を自力で走るチャリダーさんは頑張ってって応援したくなりますが
ヒグマに出会いませんようにと祈らないではいられません
キャンピングカーでも絶対安全とは言えませんし、道の駅でも夜中にトイレに行く際は細心の注意をしています
絶対安心とは言えませんが現状で唯一の防衛手段はクマ撃退スプレーかと
観光地でも熊出没注意の看板があれば必ず携帯しています
状況は変化してきている
人が襲われたのは一握りだし、確率的には新型コロナで亡くなるよりも、交通事故で死ぬよりもずっと低いでしょ
と言われればその通り
ただ、2021年度、道内では人がヒグマに襲われる事故が相次ぎ、死傷者の数はあわせて12人と過去最悪
札幌市の市街地に出没し4人が重軽傷という事件もありました
ヒグマは知床だけではありません
数年前は利尻島に泳いで渡ったと思われるヒグマが目撃され大騒ぎ
道南の島牧村や松前町でもヒグマの出没が相次ぎました
羅臼では飼犬が相次いで喰われる事件もあり
道内はどこに出没しても不思議ではありません
悲惨で凄惨な事故が発生する前に、道も国もっと啓蒙してほしいですし
旅行者も含めた個人個人が正しい知識を持って、行動したいものです