2014年式 バンテック コルドバンクス3の鉛バッテリーをレノジーのリチウムイオンバッテリーに交換しました
コンセプトは
将来下取りに出す際にもノーマルに戻せるように標準の配線は一本もカットしないこと
悪戦苦闘した経緯とノウハウをブログにまとめました
現在はレノジーDCC走行充電器+トリプルサブバッテリー300Ah
総費用は約20万円でした
あくまで施工マニュアルではなく素人の施工日記です
ご自身の施工の参考にされる場合は必ず自己責任でお願いします
第一章 リチウムバッテリーのポン付け(単純に置換え)ってダメ?
サブバッテリーの劣化は
高電圧型のACデルコシングルに交換して、保険としてDeltaMax用に社外接続コンセントを車内に追加することででほぼ決定していました
ただ・・・・
残るはリチウムへの未練
既にブログやユーチューブにはリチウム化が山ほど出ていて
大変参考になるのですが、自分で理解しないと前に進まない性格です
失敗例を見るとリチウム自体よりもケーブルが細かったり
安価なヒューズを使ったりして溶けて発火寸前とかのリスクの方が高そう
鉛ディープサイクルバッテリーをBMS付リチウムバッテリーに単純トレードできないものか
もう一度冷静に考えて
ネットの先人達の事例やメーカーの仕様書等を猛勉強???しました
いまやネットで何でも自習できるいい時代ですが、情報を見分ける知識も必要
例えば売れ筋で評判もいいレノジー(RENOGY)
公式サイトには
「リチウム電池専用のAC充電器の使用をおすすめします。通常の鉛バッテリー充電器を使用する場合、バッテリーが破損する可能性があります」
とあります
当たり前ですが、鉛バッテリーの環境にリチウムを単純置換えしても大丈夫ですとは普通は保証できないですよね
1.まずは単純交換のリスクを整理
大丈夫って「何が?」ってことから
考えられるリスクは
レベル1 想定されるパフォーマンス(充電のスピードや満充電)が得られない
レベル2 過充放電によりBMSのプロテクターが頻繁に作動して使い物にならない
レベル3 BMSが破損して修復不能になる
レベル4 バッテリーセルが発火や爆発して事故になる
レベル1なら許容範囲
レベル2~3なら金銭的な損失なので自己責任である程度やむを得ない
レベル4は絶対に避けたい
ですね
2.「ムービングベース」さんは大丈夫だそう
ポン付けでも大丈夫ですよと言い切っている会社があります
静岡県の三島にある「ムービングベース合同会社」さん
メールで
「どうして大丈夫なの?」と問い合わせたら
「BMSの制御や使用している内部のセルなどにより、鉛バッテリーとの入れ替えでも使用していただける仕様になっております」
と即回答いただけました
もう少し具体的に聞きたかったんですけど
企業秘密ですかね
自動車やバイクのメインバッテリーの置換え用も販売していて
実績も多数あるようです
充電の違いを公表値でレノジーと比べてみました
両方ともリン酸リチウムイオンの12V100ahのBMS内蔵バッテリーですが
バンライフスペシャルの電圧は15V超えてもBMSは許容しています
あと電流もレノジーが60A で警告(このままだとバッテリーを痛めますよ)に対し
100A まで継続充電可能となっています
これがバッテリーセルの性能差によるものなのか、リスク許容度を上げている(レノジーが保守的)なのかわかりませんが
メインバッテリーも手掛けていることからサージ等による一時的な電圧上昇も考えているのかもしれません
ただ、レノジーの方が圧倒的に利用実績が多いのと
バンライフスペシャルは高めと言われるレノジーより更に3割増しくらいの価格
レノジーでも
推奨範囲内の充電ならポン付けでもリスクはレベル1
万一、一時的に超えてもレベル2
少なくともBMSが遮断するのでレベル4は無さそうです
なお、レノジーの説明書に放電時に1Cの容量を超えるとBMS破損の恐れありとの記載がありました
1Cは100Ahのバッテリーの場合100A×12.8V=1280Wになります
1500Wインバーターをフルに使うと超えます
ウチはそもそもDeltaMax使いますし
バッテリーを2個以上にすれば解決ですけど
3.コルドバンクスの装備を確認
次にレノジーのリチウムに置き換えた場合の充電を具体的に考えます
A.走行充電
バンテックを始めほとんどのキャンピングカーは走行充電器を持たず
メインバッテリーとサブバッテリーは並列に接続
車のオルタネーターが発電する際にメインバッテリーと同様に充電されます
エンジンを切るとサブからメインへの逆流を防ぐために切断されます
カムロードのオルタネーターはディーゼルが130A、ガソリンが80A
私のはガソリンですがオプションの130Aになっています
電圧は13.9~14.2V程度、推奨の14.4Vを下回ります
逆に14.8V以上の過電圧ですが
発電制御のオルタネーターは15Vになることもあるようです
カムロードでは良くも悪くも事例はみつかりませんでした
電流の予測が難しいのですがいままでは多くて30~40A程度でした
リチウムは吸込みがいいのでバッテリーが空に近い状態だと警告(60A)場合もあるかもしれませんが1次保護作動(110A)までは無いでしょう
保護作動前に60Aを超えるくらいでカットするのにヒューズが必要かも
後は万一警告が出たらインバーターを動かしてDeltaMaxの充電に一部回せばいいですし
そして充電が進むにつれ電流の入りが悪くなるので解消されていくはず
なお、リチウムを2個以上にすればこの問題は解決します
最高電圧が14.2Vなので鉛ディープサイクルバッテリーと同じく
走行充電で満充電は難しそうです
但し、長寿命のために満充電が絶対の鉛バッテリーと違い
リチウムは満充電状態は逆に良くないのでこれでいいのかもしれません
B.外部接続(AC)充電
バンテックに装着されているのは未来舎の「すぐれもの充電器」
ディップスイッチで13.9Vと14.4Vに切替可能
14.4Vならレノジーの推奨充電電圧にピッタリ
でも、余裕を見て13.9Vがいいという説もあります
後述する同じ未来舎のソーラーコントローラーを調べていたところ
AmazonのカスタマーQ&Aにこんなメールが掲示されてました
この最初に記載してある充電器CH-1212GFPが「すぐれもの充電器」
これを読む限り信憑性は自己判断ですがメーカーも黙認できるレベルのようです
満充電は微妙なコントロールが必要なので保証の限りではありませんが
大きな問題はないと判断できました
C.ソーラーチャージャー(流用不可でした)
ソーラー充電
これが難問でした
バンテックに装着されているのは「すぐれもの充電器」と同じ未来舎製
「PV-1212D1Aソーラーコントローラー」というPWM方式?のもの
上記のようにメーカーもリチウム非対応と言ってますし
ネットを徘徊してもリチウムへの流用実績は見つけられませんでした
駐車場に放置時もずっと発電し続けるのでちゃんとコントロールしないと危険
これだけはリチウム対応のチャージコントローラが必要との結論です
でもなんとなく、道が見えてきたような(;^ω^)