カムロードのダブルタイヤ登場と安全神話
カムロードにダブルタイヤが出たときは
これでバーストから転倒という悪夢から救われると喜びました
発売当初は4WDがシングルタイヤにしかなかったこともありシングルタイヤも選択できました
そして、2021年のマイナーチェンジでダブルタイヤの4WDも出揃い
一部を除いてダブルタイヤしか選べなくなっています
カムロードのシングルタイヤのサイズは195/70 R15LT
指定空気圧は600kpa
パンパンの空気をいれて耐荷重を得ていたので乗り心地は固く
バースト事故も発生していて
トラックのように空荷になることもなく常に3トンの重量物を載せているキャブコンには、LT(ライトトラック)規格のシングルタイヤでは無理があるのではと言われていました
ダブルタイヤのメリットとデメリット
そこに登場したダブルタイヤ
サイズは175/75 R15LT (ナッツRVは185/70 R15LT)を前後で6本
シングルタイヤより一回りサイズダウンしています
そしてスペアタイヤの問題もあり、フロントも同サイズにサイズダウンしています
指定空気圧は600kpa
メリットは転倒リスクが低いこと
リヤタイヤ1本がバーストしてもそのまま走ることができます
タイヤの接地面積が倍なので横風等にも強い
タイヤサイズが小さい分、車高が低くなり走行安定性が高い
コイルオーバーサスでリヤを持ち上げてることもあり、奥の私のコルドバンクス(アジリスキャンピング215/70 R15)と比べるとヘッドライトの位置がかなり低いのが分かります
デメリットは乗り心地が悪いこと
乗用車で太いタイヤを履いたことがある人は分かるでしょうけど、接地面積が増えると路面の凹凸もその分拾います
また、乗り心地に影響するバネ下重量も増加
フロントタイヤは扁平率70から75になるのですが、サイズダウンによりショックの吸収が悪くなります
エアーもパンパンなのでノーマルのままだと乗り心地はかなり悪いです
雪道では接地面積が大きい分だけリヤを振りやすくなります
ダブルタイヤのデメリットを克服した事例
このデメリットのひとつの回答がれいパパさんの新型クレア
初代の2WDダブルタイヤのクレアを3年で手放し
先日、4WDダブルタイヤの新型クレアに買換えました
初代で乗り心地の固さを熟知していたので
カーセールスワタナベ(CSW)のエアサス等フルキットを組み込み、走りとショックの吸収を更に強化
ここまでは良く聞く話
加えてタイヤ6本を195/80R15LTに交換(※)しました
関西でCSWを扱う「富永自動車」さんでも初の試みだったそう
このメリットは何と言っても
指定空気圧が450kpaということ
アジリスキャンピングの475kpaより低いです
それに加えて扁平率80タイヤなのでクッション性は更にアップ
乗用車のような乗り心地を再現されているよう
※キャブコンのシェルによってはタイヤが干渉する場合もあるので、事前の検証は必須
伊豆で試乗させてもらいました
先日、「道の駅開国下田みなと」から「白濱神社」への往復を運転させてもらいました
奥方2人はダイネットに座り
運転手は私、助手席にれいパパ、真ん中にシュナウザーのれいチンの5人?乗車
登り下り、海岸沿いのクネクネもあり試乗にはいいコース
まず感じたのが乗り心地がソフトで乗用車並み
初代と比べると木のタイヤがゴムのタイヤになった感じというと言い過ぎかな?
キャンピングカーにお決まりの家具が軋む音も全くありません
フロントの突き上げもなく、後席の奥様方も乗り心地良好とのこと
スタッドレスだったので、エアサスの圧を上げてもまだソフトなくらい
サマータイヤにしたらもっとサスを硬めて走りに振ることも出来るでしょう
あと、エアサスで更にフロント荷重になったためか、回頭性とブレーキの効きが初代クレアより良く感じました
旧クレアは鉛サブ5個だったのでリチウムでの大幅軽量化も効いてるのかも
新型で6速オートマになり2速のエンブレが有効に使えるようになったのもメリットですね
シングルタイヤのデメリットはCP規格タイヤで克服
カムロードのダブルタイヤ登場とほぼ同時期に
TL規格ではなくCP(キャンピングカー)規格のアジリスキャンピングが正規輸入されることになり
ダブルタイヤをトヨタに働きかけたナッツRVは、シングルタイヤにアジリスキャンピングの装着を積極的に進めました
サイズは215/70 R15CP (大型車では225/75 R16CPも)
指定空気圧はフロント475kpa、リヤ550kpa
これにより、安心感、安定感、乗り心地が大幅に向上
今のところ、通常使用でのバーストの話も聞きません
フロントタイヤはダブルタイヤ仕様よりバーストリスクは低いし、ブレーキの効きもいいです
CP規格はLT規格のタイヤに比べてサイドウォールの剛性等が大幅に改善されていて
3トンの重量のままで長期間駐車してもタイヤの変形が少ないように設計されています
何より、デュカトベースの欧州キャンピングカーはアジリスキャンピングのシングルタイヤ
世界レベルで安全性は確立されていると考えていいでしょう
国産でもやっとCP規格が出始めました
ニュース|横浜ゴム、キャンピングカー専用タイヤ「BluEarth-Camper」を新発売、CP規格適合サイズをラインアップ
シングルかダブルかはお好みで
ノーマルタイヤ同士で比べたらダブルタイヤのメリットが上回りますが
アジリスキャンピングの登場以降はシングルタイヤを選んでも問題ないかと
個人的にはダブルタイヤのオンザレール的な走りも魅力的なんですが、シングルタイヤの軽快感も捨てがたいんですよね
なので、シングルタイヤが新車の選択肢から無くなったのは残念でもあります
今や一部を除き中古キャンピングカーでしか手に入らなくなりました
カムロードベースならマイナーチェンジ直前のシングルタイヤ4WD車にアジリスキャンピングを履いたキャブコンもいいと思います
アドブルー不要の80L燃料タンク(新型は60L)ですし
でも新型の6速ATと自動ブレーキも捨てがたいし、やっぱり新車はいいけど(^_^♪
雪道に関しては4WDならシングルでもダブルでも走りに大きな差はないでしょうけど
ダブルタイヤは6本のスタッドレスが必要でコストが1.5倍かかります
とはいえ、スタッドレスのCP規格タイヤは国内に無いのでLT規格になります
そうなると夏ほどタイヤに負担がかからないとはいえダブルタイヤの方がリスクは低くて安心
全てを満たすのは難しいですね(;^ω^)
(注記)アジリスキャンピングは、CP規格のオールシーズンタイヤ「クロスクライメートキャンピング」に置き換わっていくようです