ヒグマ好きが抱いたOSO18の疑問
ヒグマ好きを自認する私
過去、獣害をおこしたヒグマは多かれ少なかれ異常な行動の傾向はあったのですが
OSO18の生態は今までの常識を覆すものでした
2019年から2023年6月にかけて北海道の標茶町と 厚岸町で計66頭の放牧牛を襲った怪物ヒグマ
罠にもかからず老練なハンターの待ち伏せにも掛からず忍者クマとも呼ばれていました
これだけ騒いでいながら最期はあまりにもあっけなく
早朝の牧草地に寝そべっていたところを
熊撃ちのベテランハンターではなくエゾシカを駆除していた若い釧路町職員のハンターに駆除された
あんなに警戒心が強かったのに人を見ても逃げなかったので
まさかOSO18とは思わなかったそう
念のため残った体毛をDNA鑑定に出したところOSO18と判明
既にOSO18は食用として解体されて出荷されていたという
OSO18の名は前足の足跡の幅が18cmだったことから付いたのは有名ですが
捕獲時に測ったところ20cmだったとか
これってホンモノだろううか???
と私も疑問が沢山あったのですが
NHKスペシャルが解明してくれました
いろいろ批判もあるNHKですがやっぱりいい仕事します
最近のパレスチナ問題もNHKの番組は勉強になります
NHKスペシャル「OSO18 ”怪物ヒグマ”最期の謎」
繰り返し観ました
襲われた牛は美味しいところだけを食べて放置されているんです
良く言われる土饅頭にして後で食べるような執着もみせず
ちょっとハンティングを楽しんでいるように
雪の方が足跡が残って追跡し易いらしい
でも大量のエゾシカはいるのにOSO18の痕跡は全くなし
標茶町から駆除されたオタクパウシまで南下しているのが、牛の襲われた現場をたどると良く分かります
弱っている様子のところをあっけなく射殺
足の幅は18ではなく20㎝
ところが、OSO18捕獲チームのリーダーが写真を見ると
ちょっとこれを聞いて狂牛病を思い出しました
あれは牛の共食い(牛骨粉)が原因と言われていますが
OSO18もクマのDNAにない飼牛を食べたことが悪影響を与えたのではないかと
OSO18の死体はすぐに解体されて食肉で出荷済
残渣のみがこの中に埋もれています
解体業者さんは「年取った熊だった印象」と
ただ、唯一残っていた歯を鑑定したところ
ヒグマは20年ぐらい生きるので、OSO18はまだ壮年期のよう
では何故そんなにやつれていたのか?
NHKのディレクターの執念がSNSでもバズる
ここでNHKが驚く行動に
これ、NHKのディレクターです
直近でクマの解体はOSO18だけなので、ここに熊の残渣があればOSO18のもの
4時間かけて発見します
この執念に翌日のXでもNスぺがバズってました
OSO18の食生活は異常
発見された骨をスライスして分析します
年代毎の食事内容もわかるらしい
その結果は
黄色く光るのがOSO18の食生活
それ以外の他のヒグマは果実類が中心なのが分かります
OSO18は若い頃からエゾシカを中心に肉食しかしない個体になっている
ヒグマは果実や木の実を基本とした雑食だが
この個体はエゾシカの放置された死体などを食べているうちに肉食に傾いていき
草や果実、植物を全く食べずに体に異変を起こした可能性が高いと
そして、野生の本能を失った中で他のヒグマとの生存競争にも勝てず
最後は飢えて食料を求めて南下していき最期を迎えたよう
人間に変化させられた不幸な熊だったとの結論
病気?のヒグマを美味しいとありがたがる人間の業
最後にでてきたのはOSO18に肉の行方
都内のジビエ料理店にて
OSO18の肉と分かったら予約はすぐに埋まったと
そりゃそうでしょうね
OSO18を頂いていたカップルのコメント
この番組を見たあとだったらどう感じるのだろうか
クマ汁は確かに美味しいですけどね
という濃い内容の番組でした
そう考えると、人間は好きなものを何でも食べていることがどんなに異常なことか
逆に不健康な食生活を医療の力でねじ伏せている間にDNAを変化させているのかもしれません
日本人でいうと穀物中心の生活から欧米型へ
その途中で成人病が増えているのも同じですね
いろいろ考えさせられる内容でした